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22 権力争いを癒す

ここでは特に人間関係にフォーカスした問題を取り上げます。
わかりやすくするためにカップルにおける権力争いの仕組みを見てみましょう。

私は以前、恋人に対して「毎日連絡を取ること」「どんなに忙しくても週に一度以上は会うこと」というルールを宣言し、日々プレッシャーをかけました。
パートナーのことを大事に思ったり、相手を癒したいという前に、自分の欲求をいかに相手に満たしてもらうか、が最大の関心事だったわけです。
「権力争い」とは、このようにパートナーに自分の欲求を満たさせるための戦いです。

それと同時に、相手の流儀に従うのを恐れ、拒みます。

当時彼は仕事がとても忙しく「月曜から金曜の夜までは気が抜けない」「土日も仕事が入ったり入らなかったり」と、暗に私の要求に従うのは難しいというサインを何ども送ってくれていました。
でも私は、そんなはずはない、どんなに忙しくても数分もあれば連絡くらいできるでしょ? 私を大事に思っていないんじゃないの? と不満や不信感ばかり抱いていました。

なぜ私は彼の言葉を素直に正面から聞くことができなかったのでしょう。なぜ彼とのコミュニケーションにルールを設けたり彼を縛るような言動を取ったのでしょう?

それは私の子ども時代に原因があります。忘れてしまった事もたくさんありますが、父が仕事を口実にいつも(土日も含めて)家にいなかったことや、そのことを母がよく愚痴にしていたことに起因しているような気がします。

私たちは子どもの頃の傷を再び繰り返さないよう、恐れを抱きながら生きています。
例えば子供時代に、母親が他の子を褒めているのを聞いて、ひどく嫉妬し傷ついたとします。そういう過去の傷をひきづっていると、恋人があなたの女友達を褒めただけでひどく嫉妬し激怒するかもしれません。
保育園で毎日お母さんのお迎えが遅くて心細い思いをしていた子供は、大人になって友人の遅刻が死ぬほど許せないかもしれません。

幼い時のネガティブな感情が蘇ってくるのを防ぐために、私たちは他人の行動が許せなかったり、自分の流儀を相手に押しつけようとします。
そして人間関係をその場でストップさせてしまうのです。

私たちが抱える傷を癒す方法は、一つです。
お互いの傷を相手に満たしてもらおうとするのではなく、進んで相手の傷を癒してあげようとすることです。相手を押さえつけて自分の欲求を満たさせた時、相手は犠牲モードに入り二人の間に無感覚が生まれます。死んだような関係です。結局、あなたは相手と共に魅力を失っていくのです。

お互いの傷や恐れを癒すために、権力争いを持ち込まないように。
献身の心でいつも取り組めばあっという間に人間関係が豊かになりあなたの人生が展開を始めるでしょう。

<項目>
1 心の秘密

2 あなたの価値
3 人生の目的
4 あなたが手にしているもの
5 前進
6 扉を開く
7 許す
8 感情を感じる
9 真実が自由をくれる
10 過去を手放す
11 受け入れる
12 ネガティブ感情は全て幻想
13 空想の人生を生きていませんか?
14 「傷つく」とはどういうことか
15 信頼
16 人生を実現する
17 心の姿勢が方向を決める
18 家族の解放
19 役割と義務感
20 家庭内の役割
21 コミットメント
22 権力争いを癒す
23 愛の仮面をつけた犠牲
24 献身
25 信じたままが現実になる
26 ストーリーを捨てる
27 親密さ
28 喜びを味わう
29 誘惑(代用品という罠)
30 パートナーシップ