10 過去を手放す
「手放す」ことの大切さについて考えてみましょう。それは、何かにしがみつかないこと。
「しがみつく」とは執着のことです。
何かに執着していると、あなたは客観的な判断力を失います。人生の目的も夢も、大切な人も失うことになりかねません。
人生の目的を見つけるには、過去や現在のこだわりを「手放す」ことが必要です。人間関係でもそうですね。以前の関係を手放さなければ新しい関係を始められないのと同じ。過去の何かにしがみついていると、新しいものをもたらす余地がないのです。
一流大学出身あるいは一流企業に勤めていたというエリート意識にしがみついている人もいるでしょう。そのせいで、本当にやりたいことに踏み出せない人。ずっと専業主婦だったせいで社会に出るのが怖い人。昔の恋人との別れに納得がいかなくて未だに新しい関係に踏み出せない人。親孝行できないまま親を失って自分を責め続けている人。過去のいじめを苦に復讐と仕返しの人生を生き続けている人。
過去のこだわりや怒り、憎しみ、悲しみ、苦しみに支配されていると、今の人生を楽しむことができません。それらに対する執着は、あなたが自分自身の人生と深く関わるのを邪魔したり、制限したりします。過去を生きても喜びはありません。喜びは現在を生きるところからしかやってこないのです。
また多くの人が、過去の喪失感や失敗を引きずっています。そしてその苦い経験は「また誰かを失うのではないか」「また失敗するのではないか」という「恐れ」を生み、私たちが前に進むのを足止めしてしまうのです。
過去の苦しみにこだわって前に進むのを止めていると恐れは無くなりません。
恐れをなくすには、過去の苦しみを手放し、恐れと向き合って行動するしかありません。
自分を信じて現在にアプローチするのです。
手放すことは大きな力になります。
自分の中に欲求と執着があるとき、周りから人も夢も消えていきます。
執着は私たちの魅力を損ないます。手放せば、魅力は増します。
手放すことによって私たちは豊かさのすべてを受け取れるようになっていくのです。
<項目>
1 心の秘密
2 あなたの価値
3 人生の目的
4 あなたが手にしているもの
5 前進
6 扉を開く
7 許す
8 感情を感じる
9 真実が自由をくれる
10 過去を手放す
11 受け入れる
12 ネガティブ感情は全て幻想
13 空想の人生を生きていませんか?
14 「傷つく」とはどういうことか
15 信頼
16 人生を実現する
17 心の姿勢が方向を決める
18 家族の解放
19 役割と義務感
20 家庭内の役割
21 コミットメント
22 権力争いを癒す
23 愛の仮面をつけた犠牲
24 献身
25 信じたままが現実になる
26 ストーリーを捨てる
27 親密さ
28 喜びを味わう
29 誘惑(代用品という罠)
30 パートナーシップ